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シリーズ「特色ある教育」

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シリーズ:中京学院大学の特色ある教育

第2回 経営学部の実就職率好調のキーパーソンに聞く!

今回は、予定を変更して経営学部の実就職率にスポット!

大学通信発行の「ユニヴプレス 10 号」に、岐阜県の地方に位置する本学の経営学部が実就職率17位として掲載されています。数ある経営・経済系学部の中で、有名大学を上回るこの実就職率はどのような仕組みから生み出されるのか、今回はその仕掛人でもある学生支援センター長兼キャリア支援部長である「髙栁昌弘経営学部特任教授」から話を伺いました。

小栗:まず就職の実績好調の背景にある支援体制についてお聞かせください。
髙栁:本学のキャリアサポートで大切にしていることは、私たちが約束している「すべての学生の卒業後の長い人生を豊かで幸せに暮らしていくことができること」、「1人ひとりにどこまでもOne to one」です。 私が本学のキャリアサポート改革に取り組み始めた 2016 年よりこれをいつも、いつでも実践できるように、組織体制を一新し、事業の廃止と新設、スタッフの育成などを進めてきました。 どの大学においてもキャリア支援は重要な学務の一つですが、市場の動きを意識して改革を進める大学は多くはありません。本学でも従前の事業を目的思考で見直すと、目的達成や成果獲得につながらない慣習的な取り組みや付き合い、かなり前の学生の希望や産業構造に基づく求人情報構成の偏り、就職できることをゴールにした学生対応など、直ぐに改廃したいものが山ほどありました。 この目的達成に向かうイノベーションを急速に進めつつ、毎年事業内容を見直しながら、実現に向かう支援体制であるように、修正を重ねてきたのが今の体制です。ただし、イノベーションは毎年続いていくものですので、あくまでも現状についてお答えします。 全学組織であるキャリア支援部は私を含めて4名、経営学部では教職協働組織としてキャリア進路委員会経営学部会を置き、学部教員およびキャリア支援部員で、私を含めて7名で構成しています。そもそも少ない配置ですが、実は経営学部のキャリア支援専任のスタッフは一人もいません。(笑) 私自身もキャリア支援部の上位に当たる学生支援センター長を兼務しているほか、教務委員やクラブ部長を務める教員、学生支援、クラブ指導や他学部のキャリア支援などを兼務することで、多くの機会で学生たちと接し、多面的な視点から1人ひとりの学生が必ず持っている固有の長所や特性を理解した上で、キャリアサポートを行うことができるようにしています。 また、これは体制というよりも学内のシステムとして、毎年実施している就職先と卒業生に対するアンケートにおいて、提供いただいた情報と考察を教育改革推進部門であるリフォーム・エデュケーション・センターの教育質保証推進部長や学部長などと共有し、教養課程や専門課程、課外活動などを通じての就業力養成にもつなげる仕組みを確立しています。 さらに高等教育に関わる方々はもちろん、就職先以外の本学に関わる様々な方、企業や団体に積極的に出向いてお話を伺うことの中から、学外及び教育機関以外の世の中の動きについて学び、そこからいただいた社会からの要求とそれに基づく着想を様々な学生指導に活かすことで、1 人ひとりの学生の強みや働きがいなどの自己理解につなげ、自分らしい就業力の醸成に取り組む支援をしています。

小栗:関わる側の研究や新たな知識や価値観の獲得が背景にあり、その上で、一人ひとりの学生に向き合う基本のマインドが、このような結果を生み出していることが理解できます。 一言に就職と言っても学生が就職しようと前向きに行動することや、どのような企業が自分に向いているのか、更には将来どうなりたいかと言った気持ちが育っていないと実現できないことかと思います。この学生の気持ちをどのように育んでいるのでしょうか?

髙栁:本学の経営学部の特徴として、運動部の活動がとても盛んで、2019年には9つある運動部のすべてがインカレ・全日本選手権に出場する成果を上げていることから、運動部比率が極めて高いことが挙げられます。だからこそ「大学で何をするのか?」について目的意識をもっている学生は多いものの、入学する時点から卒業後の進路について明確な希望や志向、すなわちキャリアビジョンがある学生はほとんどいません。 実際のところ昔は、大変残念なことに本学においても進路の選択という概念は希薄で、クラブ活動による制約があるものとの認識の中で、自身が活動できる時期にごく少数の企業へのエントリーから選考に進み、内定を得た企業に進路を決める就職活動が多数派でした。 この厳しい現実を受け止め、可能な限りシンプルに、でも機会あるごとにしつこく、さらに丁寧にわかりやすく学生たちに伝えるように努めました。 大学生活の 4 年間は社会に出て自立を果たす準備に使える最後の期間であることを学生たちに解き、計画的に質の良い経験を自ら選んで自身の能力・適性を伸長することの大切さを伝えると同時に、大学としても従前の事業をゼロベースで見直し、目的達成につながる新たな事業を興してきました。(以下参照)
<自分を知ること、キャリア意識を育てること、社会に目を向けることなどを意識した各学年での取り組みの一部> 入学時、学期始終のガイダンスでのキャリア形成に関わる講義
1年次:適性検査受験による自己分析、えきべんチャレンジによる基礎学力伸長
2年次:資格取得による基礎的就業力伸長、ボランティア活動による自分らしいやりがいへの気付き
3年次:実務家教員による就業力ゼミでの進路選択の準備と多面的に見た自己理解、キャリア進路に関わる個別面談、インターンシップによる就業力探求および企業と業界分析、業界研究セミナーと模擬面接会による実戦形式から自身のキャリア意識と適性理解の見直し、就職活動準備の仕上げ
4年次:TeamsやZoomなどを活用した、オンデマンド形式での就職活動や進路選択支援
この仕組みづくりをしたとしても簡単には行動を継続していけないのがZ世代と言われる今日の学生の特徴でもあります。 学生たちにとっては、進路の選択は初めて行う自身の人生を決める重要な決断ですので、その時期までに私たちが少しでも深く学生のことを理解しておくことは極めて重要なことです。就職活動は多くの厳しい経験を重ねてこそ良い進路の選択につながるものですから、自分のことを知ってくれている経験と知識を有した良き社会人がサポートしてくれる心強さを感じつつ、社会との接点に自ら飛び込み、前向きにチャレンジを積み重ねていけるように1人ひとりのマインドセットを予め整えることが大切だと考えています。

小栗:貴重なお話をありがとうございました。本学経営学部ではこれまでの就職実績も5年連続100%を達成するなど、卒業生を確実に社会に繋いできています。 キャリア支援に携わるスタッフ自らが、自己研鑽と研究を重ね、それでいて、教えるというよりも、学生たち自身に考えさせる機会をより多く整え、学生の成長を支える確かな仕組みが存在することを改めて感じました。
 
インタビュアー:アドミッションセンター 小栗
経営学部は、現在2024年度からの新たなステージ向けて改革を進めています。新たな学びに向かう学生たちのさらなる成長に期待します。
次回は看護学部「「やればできる」のやり方教えます!プログラム」をご紹介します。

第1回「地域貢献Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ」

グループワーク発表シーン

 現在の授業科目「地域貢献」は地域貢献プログラムとして平成30年度に始まりました。当時は課外活動の位置づけで、AO入試地域貢献人材育成を受験して入学した学生のみを対象としたプログラムでしたが、現在では、この入試で受験した入学生以外でも、どの学部に所属していても履修が可能な授業科目として設置されています。
 この授業科目ではⅠでコミュニケーションワークを中心に進め、コミュニケーションの基礎を身に付けます。Ⅱ・Ⅲ・Ⅳで様々な人から地域のことについて学びながらコミュニケーション力を更に深めていきます。 
 この授業科目の最大の狙いは、地域のことに興味関心を抱きつつ、そこから「課題認識」「課題解決」「傾聴力」「思考力」「フレンドシップ力」「表現力」を身に付けるというものです。
 課題を解決するために必要なことは解決策を導き出すことだけではありません。実際に行動に移すための「思考力」や他者を巻き込む「フレンドシップ力」「表現力」などが必要となります。それら必要な力を地域の力を借りながら身に付けていく本学独自のプログラムが授業科目「地域貢献」です。
 今回は実際の履修者の声を紹介します。
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看護学4年次 Kさん
 活動する中でグループワークもあるため、メンバーと協力することや人任せにしないなど他者を気遣いながら活動することも重要だと学んだ。
 先生の話やプレゼン能力など学ぶことがたくさんありました。将来のために学んでよかったことは数えきれないくらいあります。他学部の人との関わりもあり異なる意見や新たな発見があり楽しく活動できました。
 プレゼン能力、コミュ力、チームワーク、傾聴力など多くのことを学べました。

保育科1年次 Tさん
 まだ数回しか受けていないけど、本当に楽しい。オープンキャンパススタッフもやっているので月に2回土曜日や日曜日に学校に行かないといけなくて大変だけど他の授業では学ぶことのできないコミュニケーションの取り方、仲間との関わり方についてグループワークを通して学ぶことができ、毎回身になっていると実感しています。また、ワークを通じてグループの意見をまとめて全体に話す力がついたのではないかと感じています。今は、自分の意見を発表したいという気持ちが増え発表の際には1番に手をあげたり、ワークのファシリテータも率先してやりたいと強く思うようになりました。
 ワークでは様々な意見を聴く機会があり、もっと自分の視野を広げていけたらいいと思っています。
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こちらは地域貢献Ⅰのコミュニケーションワークの振り返りから抜粋した学生の声です
○自分から進んで行動しないとグループワークに参加できない。積極的に行動しなければいけない。
○自分で行動しないと情報は得ることが出来ないから自分から動くことが大切。
○何か変化をおこそうと思ったら、自分の考えていることや気持ちを声に出さないといけない。
○相手を受け入れることで自分も相手も話しやすい雰囲気が作れる。
○相手をしっかり見たり、知ろうとする気持ちが大切だと思った。
○意見が広がっていく楽しさを知った。
○自己判断力と自分で考えて動く力がついた。
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 自身の成長が実感できる授業科目であるというのも大きな魅力ではないでしょうか。
 本学としては、より多くの学生さんにこの授業科目の履修を通じて、「表現力」「傾聴力」「フレンドシップ力」「規律性」を総合的に身に付けたコミュニケーションの達人を目指してほしいと願っています。

次回は、看護学部の国試対策プログラム「「やればできる」のやり方教えます!プログラム」をご紹介します。