市岡さんと(中津川工業) ※( )内は出身校
早いもので今年のカレンダーも最後の一枚となりました。皆さんいかがお過ごしでしょうか。さて、今回のお客様は、看護学部3年の市岡和沙くんです。11月下旬、彼がアルバイトをする寿司店で意識がなくなり心肺停止状態になったお客さん(70代女性)に、心臓マッサージ等の処置をして、一命を取りとめることにつながったとの心温まるニュースが届きました。緊迫した状況下でどのような気持ちで対応にあたったのか、この出来事を振り返って学んだこと、現在の心境等を伺いました。
まず、当日の様子を尋ねると「バイト先で『体調の悪そうな人がいるので様子をみて欲しい』と連絡を受け、見に行くと、ボックス内に仰向けになって横たわっている女性がいて、顔面蒼白で脈もなく、呼吸はあるものの顎呼吸の状態でした」と。その時の心境は「これはただごとじゃない!と思いました。一瞬ためらいましたが、BLS講習(心肺停止または呼吸停止に対する一次救命処置の講習)を受けていたので心肺蘇生法が必要な状況だと理解し、すぐに胸骨圧迫を始めました」との事。一刻の猶予も許されない切迫した状況であったことが伝わってきました。「必死に心肺蘇生法をしながら他の店員に救急隊に連絡してもらい、電話を通じて容体の説明等、情報共有をしました」と。冷静沈着な行動をしている様子が目に浮かんできました。
今振り返ってみると「胸骨圧迫を続けている中で『ボキッ』と音がして、ろっ骨を損傷してしまい違和感がありました。でも『ためらわずに続けなさい』と急性期の先生方から教わっていたので、救急隊が来るまで継続しました」と。「夕方になり、ご主人が来店され『入院することになりましたが、お陰で一命を取りとめることができました。ありがとうございました』と伝えてくれました。でもその数日後、ご家族で来店され、お亡くなりになったと伺いました」と。「今思うと、もっとああしておけば、こうしておけば、申し訳ないと考えることがたくさんあります」と悔しそうな表情で話す姿が印象に残りました。
今後の目標を尋ねると「入学当初は『人の役に立ちたい』と考えるだけで具体的な看護師像はありませんでした。今回の経験を通じて、病院にいて患者さんを待っているのではなく、ドクターカーやヘリなどで実際の現場に出向く、急性期で活躍する看護師になりたいと考えるようになりました」と新たな決意を伝えてくれました。
今回の取材で、一言でいえば「直観」、具体的には「感覚的判断力」「危機察知能力」等が、いざという場面で大変重要であると思いました。このような力を培うには、否が応でも五感を研ぎ澄まさなければならない状況下で、経験値を高めることが求められます。看護師を目指す過程での厳しい学びの繰り返しが、実を結びつつあるのを実感しました。#真剣味
取材後記:「この状況で対応できるのは自分しかいない」という使命感とその勇気には賞賛しかない。その出来事をゼミの先生と分かち合う関係性もまたええがな~。(いまづ)
まず、当日の様子を尋ねると「バイト先で『体調の悪そうな人がいるので様子をみて欲しい』と連絡を受け、見に行くと、ボックス内に仰向けになって横たわっている女性がいて、顔面蒼白で脈もなく、呼吸はあるものの顎呼吸の状態でした」と。その時の心境は「これはただごとじゃない!と思いました。一瞬ためらいましたが、BLS講習(心肺停止または呼吸停止に対する一次救命処置の講習)を受けていたので心肺蘇生法が必要な状況だと理解し、すぐに胸骨圧迫を始めました」との事。一刻の猶予も許されない切迫した状況であったことが伝わってきました。「必死に心肺蘇生法をしながら他の店員に救急隊に連絡してもらい、電話を通じて容体の説明等、情報共有をしました」と。冷静沈着な行動をしている様子が目に浮かんできました。
今振り返ってみると「胸骨圧迫を続けている中で『ボキッ』と音がして、ろっ骨を損傷してしまい違和感がありました。でも『ためらわずに続けなさい』と急性期の先生方から教わっていたので、救急隊が来るまで継続しました」と。「夕方になり、ご主人が来店され『入院することになりましたが、お陰で一命を取りとめることができました。ありがとうございました』と伝えてくれました。でもその数日後、ご家族で来店され、お亡くなりになったと伺いました」と。「今思うと、もっとああしておけば、こうしておけば、申し訳ないと考えることがたくさんあります」と悔しそうな表情で話す姿が印象に残りました。
今後の目標を尋ねると「入学当初は『人の役に立ちたい』と考えるだけで具体的な看護師像はありませんでした。今回の経験を通じて、病院にいて患者さんを待っているのではなく、ドクターカーやヘリなどで実際の現場に出向く、急性期で活躍する看護師になりたいと考えるようになりました」と新たな決意を伝えてくれました。
今回の取材で、一言でいえば「直観」、具体的には「感覚的判断力」「危機察知能力」等が、いざという場面で大変重要であると思いました。このような力を培うには、否が応でも五感を研ぎ澄まさなければならない状況下で、経験値を高めることが求められます。看護師を目指す過程での厳しい学びの繰り返しが、実を結びつつあるのを実感しました。#真剣味
取材後記:「この状況で対応できるのは自分しかいない」という使命感とその勇気には賞賛しかない。その出来事をゼミの先生と分かち合う関係性もまたええがな~。(いまづ)