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第167回 ようこそ学長室へ
~ つかず離れずバランス保ち ~

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大山先生の至福のひとときは「カフェで過ごす自分だけの時間」

 梅雨も明け、夏空が爽快に感じる今日この頃。皆さんお元気でお過ごしでしょうか。今回のお客様は、4月から看護学部教授(急性期領域)として着任した大山真貴子先生です。本学着任までの経緯や教育研究活動で大切にされていること等を伺いました。
 東京都、新宿でお生まれになり、幼少期から高校卒業までは千葉県市川市で過ごされた先生。看護師を志したきかっけを伺うと「子どもの頃、ナイチンゲールやキューリー夫人の伝記を読み、その影響もあり理路整然と回答を導ける理系科目が好きでした。高校2年の終わりに、母の勧めで看護体験に参加したのがきっかけです」との事。「卒業後は都内の看護専門学校に進み、基礎実習で忘れられない思い出があります。それは、食道がんの患者さんで、鼻にチューブを入れて栄養摂取していた方を『食事の時間なので失礼します』という言葉で深く傷つけてしまったことです。この経験から『食べること』が学びのキーワードになり、食行動や食習慣への関心が深まりました」との事でした。
 大学教員の道を目指したのは「看護師として新人から中堅になるまでは身近に目標のナースもいて、がむしゃらに働いていました。15年ほど経った時、『この先どうすればよいのか』と疑問を抱き、さらに自分を高める為に大学院に進みました」と。ここでも「ナイチンゲールの看護覚え書きにある、『食べることで身体を作るのも、食べられるものを提供するのも看護師』から、『食看護』をテーマとして研究に取り組みました」との事。
 教員になって感じたのは「自分に見えているものがなぜ見えないのかな?」という疑問で、この点から「経験を通じて自分に見えているものを、初学者にどうやって見える化して共有するかを大切にしています」との事でした。学生と関わる上で心がけているのは「コンフォートゾーンを守り、余分な負荷をかけないように『感じたことはそのまま言って』と伝えています。また自信がない人には『それでいいんだよ』と背中を押すようにしています」と。学生の立場になって指導している姿が伝わりました。
 最後に研究、教育活動で大切にしていることを伺うと「研究では仮説を立て、それが現実的なものになるように、質的、量的にも奥行きを持って分析することを心掛けています。教育では、学生が『おかしいな』と疑問を感じた時、客観的な根拠を持って示せるような指導を心掛けています」との事でした。
 今回の取材を通じて、大山先生の筋道を立てて話す姿や日頃大切にしている姿勢から、俯瞰的思考を心がけ、研究、教育活動にあたっていることが分かりました。「教職員と学生の距離の近さ」が本学の良さではありますが、近いばかりでは教育は成り立ちません。全体を見ながら、一線を引く冷静な目と距離を近づける温かい目の双方が求められています。その押し引きが学生の成長を引き出すのです。#真剣味

取材後記:どんなときも食べることで明日への活力が生み出せる気がする。「食べることは生きること」たくましく希望に満ちた言葉。…おっと、隠しきれない真面目な性格が出てもうた。(いまづ)

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