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ようこそ学長室へ㉗
~ 教育の原点「承認する、傾聴する、問いかける」~

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江畑先生と(撮影時のみマスクを外しています)

 皆さんこんにちは。「ようこそ学長室へ」今回のお客様は、先日行われた看護学部FD研修会の講師として「発達的な困難を抱える学生への理解と具体的な支援」をテーマに、学生対応の詳細を説明して下さった短期大学保育科の江畑慎吾先生です。講義以外でも学生相談室室長や市内小中学校スクールカウンセラーとしても活動されている先生に、教育研究活動を通じた様々なお話をお伺いしました。
 初めに大学教員になるまでの経緯をお尋ねすると、小学校高学年の頃、活発で落ち着かない少年であった自分を熱心に指導してくれた先生の姿に憧れ、すでに教員になる事を目標にしていたとの事。その後、教育実習で不登校や教室に入れない子どもたちの実態を目の当たりにしたことを契機に、専門的見地からの支援の必要性を感じて心理学の道へ。研究テーマは「学校現場における児童生徒の適応感の向上」で「どうしたら子どもたちが安心して学校に通えるのか」について、常に思いを巡らせていらっしゃるそうです。
 講義では、当初の専門用語を使った一方向的な教え方の中で、知識や技術を理解していても、目標を実現する術につながっていない人が多いことに気づき、今では「分かった喜びを子どもや保育士の仕事と関連付けて、双方向コミュニケーションをとりながら実践につなげている」との事。
 最後に今後の目標についてお伺いすると、「自死予防を目的にした、『子どものSOSの出し方プログラム』を構築して、一人でも多くの子どもたちが安心して学校に通えるようにしたい。また、学生が孤立しないように、教職員が丁寧に声を受け止めながら支えられるように努めたい」との事でした。
 今回の取材を通じて、教員一人ひとりが学生の幸せを念頭にしながら、自己の教育に芯を持つ重要性を感じました。誰もが教員を目指すきっかけとなった出来事や経験があり、それはきっと教える相手の成長や幸せを願う思いにつながっているはずです。指導に迷い上手くかない時こそ原点に戻り、「何のために、なぜ、ここにいるのか」この問いに対する答えを確認することが、折れそうな心を前向きにしてくれます。真剣味の姿勢で素直に自問自答し、歩んでいきたいものです。#学術
 
取材後記:安心して学校へ行くために大切なのは、そこに信頼のおける誰かがいることだと思う。それが友達でもいいけれど、教員であり職員であれば嬉しいし、そうありたいなぁ。(いまづ)