グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



【健康栄養学科】Webコンテンツ食品の環境負荷

ホーム  > 新着情報  > 【健康栄養学科】Webコンテンツ食品の環境負荷

 昨今はSDGsというものが大きな社会目標となっています。そこには環境というものが大きく関わってきます。栄養士に環境といっても中々ピンと来ないかもしれません。ですが、フードロスといった食品廃棄については、多くの方が関心を持たれる内容と思います。しかし今回はエネルギーという観点から食品を巡る環境負荷について考えたいと思います。

 食品の環境負荷を測る方法としては、フードマイレージがよく使われます。フードマイレージは「食品の重量×運んだ距離」で表されます。日本はその食糧の多くを輸入に頼っており、この値が大きく国民1人あたり毎食 6,400 kg•km のフードマイレージとなっています(2020年)。

 しかし、このフードマイレージ、普段使うものでもありませんので、数字が大きいなとはなかなかピンとくるものではありません。そこで、もう少し身近に感じられるよう計算をしてみましょう。

 1食あたりの不可食を含めた食品重量が、1 kg だとすると、皆さんが目の前にしている食事は毎食およそ6,400 km の距離を運ばれてきたことになります(図1)。これを輸入品の搬送に使われる船の燃費(7 m/L)から石油の使用量を計算すると、91万5千Lとなりますが、積載量(6万t)は 1億食に相当しますので、1食あたりに 9 mL の石油を消費することで成り立っています。この石油で車を走らせることを考えると、燃費 15 km/L の場合、135 m 走ることができます。(図1参照)

図 1

どうでしょうか?初めに比べてずいぶんと実感できるようになったのではないでしょうか?この値が大きいか小さいかそれについては、それぞれの考え方により変わると思いますので、何が正しいということは言いません。ただ、知ることは重要であり、そこから様々な考えを派生させてほしいと思います。

 最後にもう一つ。身近な食品の環境負荷を知る方法として、Open Food Facts というものがあります。スマートフォン用のアプリもあり、食品のJANコードをカメラで読むと、登録済みの食品であれば、その栄養性(Nutri-Score)・加工度(NOVA)がわかるようになっています。加工度自身もエネルギー的に環境負荷と言うことができますが、つい先日、環境グレード(eco-score)が加わるようになりました。まだ日本の食品の登録は少ないですが、ぜひ、身の回りの食品に近い食べ物を探して調べてみましょう。(図2参照)

図 2